LTV(顧客生涯価値)計算ツール
平均購入単価 × 購入回数 × 継続期間 を直感操作でサクッと算出(ブラウザ内完結)
平均購入単価(円)
※ 数字をそのまま入力(桁数制限なし)。税込・税別は運用に合わせて。
購入回数(頻度)
継続期間
LTV(計算結果)
総購入回数
前提(頻度)
前提(期間)
ビジュアル
計算式を表示
LTV = 平均購入単価 ×(購入回数/年)×(継続年数)
※ 入力した単位を年換算して計算しています。
ブラウザ内完結 単位選択で自由に換算 コピーして資料へ貼付

LTVとは

LTVとは、顧客生涯価値(Lifetime Value)のことで、ある顧客があなたのビジネスにもたらす「将来まで含めた合計の価値」を指します。もっと平たく言えば、「1人のお客さまが、関係が続くあいだにどれくらい買ってくれるか」をお金に換算した指標です。

一般的な求め方はとてもシンプルで、平均購入単価 × 購入回数 × 継続期間です。たとえば「平均購入単価5,000円・月2回購入・18ヶ月継続」なら、総購入回数は 2×18=36 回、LTVは 5,000円 × 36回 = 180,000円 というイメージです。購入回数と継続期間の単位(回/月・回/年、ヶ月・年 など)は揃えて計算します。

LTVには二つの見方があります。

  • 売上LTV:売上ベースのLTV(上の計算)。スピーディに把握するのに向きます。
  • 粗利LTV:売上LTVに粗利率を掛けたもの(例:売上LTV×粗利率)。投資判断や採算確認には、こちらのほうが現実的です。

LTVは獲得コストとセットで使うと威力を発揮します。目安としては LTV ÷ CAC(顧客獲得コスト)≧ 3 を“合格ライン”と置くケースが多く、媒体・チャネルごとにこの比率を見ると、予算を増やすべき場所と見直すべき場所がはっきりします。ここで注意したいのが CACとCPAの違いです。CACは新規「顧客」を1人得るのにかかった総コスト(広告費だけでなく人件費やツール費なども含めることが多い)なのに対し、CPAは広告の「1コンバージョンあたりの媒体費」。そのコンバージョンが購入でなければ、CPAは顧客化の手前(資料請求・登録など)を指すため、LTVと比較する指標としては不十分になりがちです。判断は原則CAC基準で行い、CPAを使う場合は「定義が購入かどうか」を必ず確認してください。

活用の場面は多彩です。新商品の価格設計やキャンペーン投資判断、広告の入札・上限CPA/CACの設定、アップセル/定期化の効果見積もりなど、意思決定の共通言語として使えます。また、LTVの“伸ばし方”は大きく三つのレバーに分かれます。①単価(AOV)を上げる、②購入頻度を上げる、③継続期間を伸ばす——このどれを何%動かすとどれだけLTVが変わるのかを試算すると、優先順位が見えてきます。

最後に、数字を実態に近づけるコツです。平均だけで見るとヘビーユーザーに引っ張られて楽観的になりがちなので、中央値でも確認しましょう。さらに、獲得月やキャンペーンごとのコホートで追うと、LTVの立ち上がりや伸び方の差が見え、改善の当て所が明確になります。継続期間の見積もりが難しい場合は、月次の解約率(チャーン)から「平均継続 ≒ 1 ÷ チャーン率」の近似で出発し、実績に合わせて調整すると運用しやすくなります。

要するに、LTVとは将来の収益を見通すための羅針盤です。厳密さを追い求めるより、まずは素早く概算して差分を見ること。そこから単価・頻度・継続のレバーを小刻みに調整し、LTVとCACのバランスを継続的に最適化していくことが、再現性のある成長につながります。

LTV(顧客生涯価値)計算ツールについて

LTV(顧客生涯価値)計算ツールは、LTV(顧客生涯価値)を「平均購入単価 × 購入回数 × 継続期間」で素早く見積もり、意思決定のスピードを上げることを目的としています。入力した頻度や期間の単位は自動で年換算され、結果はブラウザ内で完結します。数値を少し動かすだけでLTVがどの程度変わるかが直感的に分かるため、価格・頻度・継続という3つのレバーの「効き」を素早く確認できます。

使い方の要点

はじめに平均購入単価を入力します。つぎに購入回数(回/月・週・年など)と、継続期間(ヶ月・年など)を実態に合わせて設定してください。迷ったら「現状の平均値」で試し、あとから頻度や期間を上下させて感度を見るのがおすすめです。入力が整ったら[計算する]を押すだけで、LTVと総購入回数、前提の内訳が表示されます。結果はワンクリックでコピーできるので、会議メモや資料にそのまま貼り付けて活用できます。

結果の読み解き方と初動

算出されたLTVは売上ベースの見積もりです。投資判断では粗利率を掛けた「粗利LTV」で見ると精度が上がります(例:売上LTV × 粗利率 = 粗利LTV)。さらに獲得コストとの釣り合いをチェックしましょう。実務ではLTV ÷ CAC(顧客獲得コスト)を主要指標とし、おおむね「3以上」を合格の目安とする運用が一般的です。媒体別・チャネル別にLTV/CACを並べると、伸ばすべき領域と見直すべき領域が一目で分かります。

CACとCPAの違い(ここが重要)

CACCustomer Acquisition Cost(顧客獲得コスト)。新規顧客1人を得るために実際にかかった総コストを指し、広告費だけでなくセールス人件費、制作費、ツール費、代理店フィーなどを含めたブレンデッドCACで見ることが多いです。
CPACost Per Action/Acquisition。広告プラットフォーム上で定義した1コンバージョンの媒体費を指します。ここでいう“アクション”が「購入」のときは媒体ベースのCACに近づきますが、「資料請求」「会員登録」「アプリインストール」など顧客化の手前の行動を指している場合は、CPA<CACとなりやすく、LTVと比較すると過大評価になります。
結論:LTV比較に使うのは原則CAC。CPAを用いる場合は、そのCPAが最終的な購入に紐づく定義かどうかを必ず確認してください。

ミニ例
広告費100万円で登録200件→購入50件。追加の人件費・ツール費30万円。

  • CPA(登録)=100万 ÷ 200 = 5,000円
  • 媒体ベースCAC(購入)=100万 ÷ 50 = 20,000円
  • ブレンデッドCAC=(100万+30万) ÷ 50 = 26,000円
    LTVが60,000円のとき:
  • LTV/CPA(登録)=12(良く見えるが顧客化していない)
  • LTV/媒体CAC=3.0(合格ライン)
  • LTV/ブレンデッドCAC=2.31(実態は要改善)
    判断はCAC基準が安全、という理由です。

数字を実態の手触りに近づける工夫

平均だけに頼ると、ヘビーユーザーに引っ張られて楽観的になりがちです。中央値で「典型的なお客さま」を捉えつつ、コホート(獲得月やキャンペーン別の群)でLTVの立ち上がりを追うと、改善の当て所がクリアになります。継続期間の見積もりが難しい場合は、月次チャーン5%なら平均継続は約20ヶ月(1÷0.05)といった近似から始め、後で実績に合わせて調整しましょう。

具体的な活用シーン

新商品の価格設計やキャンペーン前の投資判断では、期待LTVをその場で試算して上限CPA/上限CACの目安を決められます。広告予算配分では媒体・チャネル別にLTV/CACを並べ、≥3を拡大、<3を改善/停止の候補に。サブスク/リピートECでは、継続期間を+3ヶ月したとき、頻度を月1→1.2にしたときのLTV差分を比較し、最も費用対効果の高いレバーを見つけるのに役立ちます。営業・CS・プロダクトでも、アップセルやオンボーディング改善のインパクトを定量化して合意形成が進みます。

改善レバーと代表的な打ち手

  • 単価(AOV):バンドル設計、まとめ買い割、送料込み価格、上位プラン提示。
  • 頻度(購入回数):定期便の柔軟なスキップ/周期変更、同梱レコメンド、再入荷・リマインド。
  • 継続(期間):初回体験の磨き込み、オンボーディング、離脱直前検知とケア、休眠復帰の特典。
    ツール上で各レバーを少しずつ動かして、1%改善がどれくらい効くか”を体感しながら優先順位を決めるのがコツです。

よくあるつまずきと回避策

  • 単位のズレ:頻度の単位(回/月など)と期間の単位(ヶ月・年など)が噛み合っていないとLTVが過大・過小になります。本ツールは自動で年換算しますが、入力の一貫性を意識しましょう。
  • 利益で見ない:売上LTVだけだと投資判断が甘くなります。粗利LTVへ変換してからCACと比較すると安全です。
  • 時間価値を無視:資金回収までの期間が長い場合は、将来キャッシュを割り引く考え方(NPV)も検討を。まずは支払いサイトや回収期間の感覚を持つだけでも精度が上がります。
  • CPAとCACの混同:前述の通り、顧客化していないCPAでLTV比較をすると誤解が生まれます。定義を明確に。

チームでの使い方

マーケは媒体別のLTV/CACを週次で見直し、入札や上限CPAを調整。CSは解約理由の上位を1つ潰した時に継続が何ヶ月伸びるかを仮置きし、改善優先度を決定。プロダクトはアクティベーション施策で頻度が0.1上がる想定を入れて総インパクトを試算。共通言語としてのLTVを中心に、部門を跨いだ意思決定が揃います。


LTVは未来のキャッシュの地図”です。完璧な数字を一度で作るより、素早く回して差分を見ることが価値になります。今日の仮説を入力して、明日の学びにつなげてください。比較は必ずCAC基準で、できればブレンデッドで。中央値とコホートも併用しつつ、単価・頻度・継続の3つのレバーを繰り返し触る――それが、再現性のある成長に近づく最短ルートです。